カゴツルベ
今さらですが下書きに途中やめになっていたものをアップ。4月18日のお昼の回に行ってきました。感じたことを覚え書き。昨日蜉蝣峠を見てきたので、なんとなくカゴツルベも書いておかなきゃなーと思ったのです。いいことばかりじゃあないけど。
全体通して舞台が寂しいなーって印象が拭えないまま最後まで。舞台っていうか「空間が」という意味で。色とか音とかのせいなのか、吉原も夢を売る場所にしては現実的というか、若旦那があんなに変わってしまうほどの魅力をもつ恐ろしい場所なのに、それが伝わらないというか、極端に言えば若旦那の田舎と印象があまり変わらなかった。花魁の着物がもっと派手だったらいいのかなーとかもっと舞台全体を使えばいいんだろうか、とか考えてしまい、のめり込む、という感じではなく、どこか冷静に舞台を見てしまいました。それは途中に休憩をはさんだことも影響していて、いっそ休憩なしの方がもっと引き込まれたのではないか、と少し思っています。
芝居とかストーリーがどうこう、ではなく、本当にただ単純に舞台そのものに対しての印象なんですけど、そんなにほかの舞台・芝居を見た事ないので、勝手な感想です。雑誌とかで役者さんたちだけを切り取った写真を見るとすごくいいんだけどなー。あとはまあ、芝居前に見ていたポスターやらフライヤーやらのイメージが。あまりにも良い出来!だったのも影響してるかと。フライヤーと舞台のソレが同じなわけはないんだけど、やっぱりちょっと期待してたからなあ。これって東京の舞台とどっちが広かったんですかね。大阪の方がもしかして広いのかもなーって思って見てたんだけど。
こんなことばっか書いてるけども。お芝居はとても良かったのです。(だからこそ空間が残念に思う部分なんだけど)前にも書いたけど、藤澤えまちゃん。堂々としたもので、徳馬さんとの二人のシーンも素晴らしかったです。これからほかの舞台に出演するようなことがあるならちょっと見に行きたい、と思うくらいに、今回一番意外で、その分、一番良かった役者さんでした。
ヤスは全力で、というか、全身でお芝居をしていて、それもとても良かったです。若旦那の無垢な感じや分かっていても騙される悲しさや、どうにもならない無力感や絶望感、どれもこれも全身で演じているのが伝わってきました。熱演、だったなー。これだけヤスが全力で芝居をできるのも脇の役者さんたちが受け止めてくださる方ばかりだからだろうなーと。だってやっぱりカーテンコールが一番印象的で、座長をしっかり勤め上げたんだなーと感慨深かった。正直、風間くんとのシーンはミニマム2人で可愛らしかったけれど、唐突な2人ダンスはやっぱりジャニジャニしていて、いるんだろうか?と思ったけど、まあいるんだろうな(笑)
なんで、この演目でヤスなんだろうなーなんて見終わったあと、考えたりもしましたが、いいお芝居でした、本当に。30代になったヤスの若旦那を見てみたい、とも思いました。そして本家の「カゴツルベ」と歌舞伎の「籠釣瓶」も見たくなりました。